2013年12月04日
価値とは存在ではなく、現象である

新しい市場のつくり方(三宅秀道 東洋経済)
重厚だが、非常に読みやすい本。
やっと第3章だけど。
インパクトのある一言
「価値とは存在ではなく、現象である」
なるほど。
「機能=価値」ではなく、
その機能を価値だとする、文化的現象なのだと。
その商品やサービスにお客さんが
「価値」を文化的に見いだせるか?
ということなのです。
なるほどなあ。
そして、三宅さんは続けます。
「まずは問題を発明せよ。」と。
~~~ここから引用
私たちは問題そのものは発見の対象で、
それを解決する手段こそが発明の対象と思ってしまっていることがままあります。
しかし、それは錯覚なのです。
実は、それを問題と思う意識自体が人間による発明なのです。
つまり、問題とは、発明されるべき対象です。
いつかどこかの誰かがそれを問題として設定しなければ、
いつまで経ってもその問題は世界のどこにも存在しないのですから。
~~~ここまで引用
これは熱い。
たしかにその通りだと思った。
そして、だからこそ、
新ビジネスや新サービスが難しいのだと感じた。
新ビジネスやサービスは
「問題を発明」しているのだ。
しかしその問題は、
多くの人には問題だと映っていない。
例えば、携帯電話。
僕が大学生のときには存在しなかった。
だから、旅に出たら、それが最後だ。
自分から公衆電話で連絡を取らない限り、
行方不明だ。
今では考えられないことだろう。
当たり前のようなこと。
そこに問題を発見できるか?
そこに問題の仮説を立てる。
僕は、仮説を立てるとすれば、
コミュニティの崩壊、ふるさとの喪失が
非常の大きな問題として、現代人には立ちはだかっていると思う。
だからコミュニティの再構築やふるさとの創出
農業をしたり、地域のお祭りに参加したりっていう
ビジネスが起こりうると思う。
実際、まきどき村の「人生最高の朝ごはん」は
ひとりひとりの心にふるさとを取り戻す実験なのだと思う。
「価値とは存在ではなく現象である」
たしかに。
価値をつくる、というのは、
文化をつくるということ。
そこに失敗などない。
文化を形成していくプロセスがあるだけだ。