プロフィール
ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



QRコード
QRCODE
アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 107人
オーナーへメッセージ

2014年05月03日

捨てたものもあれば、手に入れたものもある。

粟島島開き1日目。
なんとも言えないのんびりとした空気。

3年目の焼きおにぎりブースは、
13時過ぎに完売。
僕のランチはサザエのつぼ焼き。
美味しかった。

14時には終わり、
新しくできた「カフェそそど」でコーヒーを飲む。

いや、コーヒー焼酎を飲む。
アルコール強めだった。
ミルク割にするとちょうどよい。

15時から散歩。
途中。
道端に座っていたおばあちゃんを見つけた。


95歳。
民宿「弥助」のばあちゃん。
島に生まれ、17歳で嫁に行き、民宿を始めた。

「これがないと歩けないんだ」
と手押し車を見ながら、話をしてくれた。

「いつお迎えが来るかわからないけど
弥助に嫁に行って、この年まで生きて幸せだった。」
そういうおばあちゃんの表情がとっても豊かに見えた。

そのあと、
道端で飲んでいるおっちゃんたちに混ぜてもらった。
つまみなしの日本酒はかなりキツかったけど、
とても素敵な時間だったなあ。

そして、最後を飾るのは、釜谷港の夕日。


ああ。
キレイだなあって。

「捨てなければ、手に入らない」
っていろいろな人がいうけど。
本当にそうなんだろうなあって。

粟島にあるものは、
いろいろなものを捨てたからこそ、
いま、あるのだろうと思った。

本田直之さんの
「LESS IS MORE」(ダイヤモンド社)


に次のような発言がある。

「選択肢がないことが豊かなのかなっていうふうに思います。
日本はいろいろ選べるものが多すぎて、目移りしちゃったり。
デンマークにいると、すごくシンプルに自分の欲しいものが見えてくる。
何が重要かってことがはっきりしてくるんだと思いますね。」
(サトコ・タナカ・フォールスバーグさん/デンマーク/船舶会社勤務)

この発言に続けて本田さんは言う。

~~~ここから引用

まさにそのとおりで、現代の日本には、瞬間の欲求を満たす選択肢が
あまりにもたくさんありすぎる。
そのため、将来のことを考えた長期的な判断をすることが難しくなっていると言えます。

(中略)

私の暮らすハワイでは、モノにこだわっているほうがむしろかっこ悪いくらい。
海の目の前にビシッとしたスーツでキメて、すごい車で乗りつけても意味がないのですから、
モノをはじめとする短期的な利益の選択肢が少なければ、そのぶん経験や体験に力を注げます。
結果として新しい幸せに近づけるというわけです。

~~~ここまで引用



粟島には、何もない。
夜、お酒が飲みたいな、と思ったら、
昼のうちに酒屋で買ってストックしておくしかない。

それは、
何かを捨ててきたということだ。

もちろんそこには選択の余地はなかったかもしれない。

しかし。
95歳のばあちゃんが幸せですと言い切れる、
そんな場は、旅行客を幸せにするのかもしれない。

昨日のブログで書いた、
「ダイアログ with ばあちゃん」
http://hero.niiblo.jp/e413111.html

これは、ばあちゃんだけでなくって、
都市部に住む若い人にとって、
必要なツアーになるのかもしれません。

「捨てなければ手に入らない。」
それを過去形にした、
「捨てたものもあれば、手に入れたものもある」

そんな価値観が人生において必要だと思った粟島の一日でした。  

Posted by ニシダタクジ at 06:09Comments(0)日記