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ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2015年07月08日

大きくなったら何になりたいの?に真剣に答えてはいけない


「その幸運は偶然じゃないんです。」(J.D.クランボルツ ダイヤモンド社)

読み直す。
センセーショナルな言葉がつづく。
帯がすでに
「もうキャリアプランはいらない」
ですからね。挑戦的。

スタンフォード大学の教育・心理学の
クランボルツ教授の本。

第2章 選択肢はいつでもオープンに
から一部引用

~~~ここから一部引用

みなさんには今後一切キャリアの意思決定を
しないでほしいのです。

なぜでしょうか?
「キャリアの意思決定」とは、
ひとつの職業に永遠に関わり続けることを
宣言することと解釈することができます。

しかし、あなた自身も、
あなたを取り巻く環境も、
常に変化しているときに、
ただひとつの道に人生を捧げようとすることはばかげています。

自分の将来を今決めるよりも、
積極的にチャンスを模索しながら、
オープンマインドでいるほうがずっとよいのです。

「大きくなったら何になりたいの?」
たいていの人は、子供のころにこの質問をされた経験があるでしょう。

この質問は、
トレーニングを受けた大人(エコノミスト、証券のディーラー、気象学者、政治アナリストなど)
でさえ、将来を正しく予測することは難しいという現実を無視して、
子供が将来を予測できると想定した質問です。

高校生や大学生になると、
将来の職業を宣言しなければいけないというプレッシャーはさらに増します。

その決断をしないと、
彼らの両親や先生、カウンセラーは
「優柔不断」さらには「決断力がない」とレッテルを貼ります。

やってみたこともないのに職業を決めることを彼らは期待されているのです。
おかしいとは思いませんか?
しかも一生それにこだわり続けなければならないなんて!

これではまるで、デートをしたこともないのに、
結婚相手を選べ、と言っているようなものです。

しかし、私たちが生きている社会では、
若者は自分が将来就きたい職業を明確に述べられるようになるべきで、
それは早ければ早いほうがいいという考え方が一般的です。

ある調査の結果、
18歳の時に考えていた職業についているという人は
全体の約2%にすぎないことがわかりました。

将来の職業を決めるという目標は無駄だと思うようになりました。

~~~ここまで一部引用

これが「計画された偶発性理論」
いわゆる「キャリアドリフト」理論です。

キャリアは予期せぬいくつもの出来事の結果、形成されていく。
だから偶然を計画し、偶然をつかまなければならない。

若者のいわゆる「もやもや」(漠然とした不安)を
キャリア教育的切り口から切ると、
おそらく「キャリアデザインの呪縛」とも言うべき、
なりたい職業を早く決めなきゃいけないというプレッシャーと
それに対する自らの感性の違和感が原因となっているのではないかと考えられる。

「キャリアデザイン」がうまくいく条件は、

1 将来がある程度予測できる
2 その仕事が長く(少なくとも40年くらい)、消滅しない
3 そのキャリアプランに周りの人(両親や先生)も同意できる

という3条件がそろった場合にのみである。

小中学校で「キャリアデザイン」一辺倒で指導が行われるのは、
学校の先生は、そうやって「キャリアデザイン」した結果、
先生になっているからである。

現在の日本は18歳時点で「先生になる」と決めなければ
義務教育(特に小学校)の先生にはなれないシステムになっている。

しかしながら、
世の中を見渡してみれば、
クランボルツ博士の言うように、
2%くらいの人しか、18歳時点で想定した仕事に就いていないのではないか?
と思う。

キャリアプランはいらない。とまでは言わないが、
キャリアデザイン一辺倒のキャリア教育は
それによって「もやもや」する若者を確実に増やしていると僕は思う。

多様な価値観とは、
どこに就職するか?
ではなく、
就職するか、しないか?

そこから始めていくことだと思う。

そのときに「地域の大人」たちがもつ多様な価値観
(大切にしているものは何か?)
に刺激を受けて、ひとりひとりの価値観が形成されていくのだろうと思う。  

Posted by ニシダタクジ at 06:36Comments(0)